卵巣漿液性腺癌の病理組織細分類に基づく治療個別化の探索

【婦人科腫瘍研究】

この研究の目的

この研究では、以前にJGOG3016試験へ参加していただいた患者さんの腫瘍組織の一部を使用して、卵巣・卵管・腹膜の高異型度漿液性腺癌の患者さんに対して、抗がん剤パクリタキセルを増量したdose denseTC療法が有効である患者さんの病気の個性を病理形態的に検証し、抗がん剤治療の個別化を探索することを目的としています。
今回の研究には、以前にJGOG3016試験へご参加いただいた638名の患者さんのうち、約355名の患者さんにご協力いただく予定です。
この研究への参加によって、あなたが直接的な利益を得ることはありません。しかし、将来、あなたと同じ病気の患者さんの治療法の個別化に役立つ可能性があります。

組織の提出および保管

この研究への参加に同意されると、手術ですでに摘出されているあなたの腫瘍組織の極少量(薄く切ってスライド貼付したもの)を、あなたが通っている病院から、京都大学医学部附属病院/JGOG(婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構)データセンターへ提出することに了承いただいたことになります。
手術もしくは生検をもう一度行う必要はありませんので、新たな身体的なリスクはありません。
提出された組織は、京都大学医学部附属病院で組織型の診断を行った後、あなたが通っている病院へ返却します。
提出された腫瘍の組織は、この研究以外の目的に使用されることはありません。また、もしもこの研究に使用されなかった場合でも、別の研究や目的に使用されることはありません。

参加について

本研究への参加については、あなたの自由な意思でお決めください。
参加しないことを選択したり、あとで同意を取り消したりすることで、あなたが今後の治療上の不利益を受けることはありません。
途中で気持ちが変わってあなたの組織を使用してほしくないと思う時には、たとえ一度同意した後でも、いつでも同意を撤回することが可能です。その場合は、提出された組織は廃棄して、その後の組織型の研究は行いません。しかしながら、あなたの組織を使用して既に検査が実施され、その結果をまとめて報告書や論文等に含まれている場合には、あなたのデータだけを取り消すことはできませんので予めご了承ください。

倫理的な審査について

この研究の内容は、臨床試験審査委員会や、その他多くの医学専門家によって十分に検討され、試験を実施することの妥当性が確認されています。病院内に設置された倫理審査委員会においても、患者さんの権利と安全を守ることへの十分な配慮がなされているか、医学の発展に役立つ情報が得られるか等が検討されています。倫理審査委員会には、医学や薬学の専門家以外の委員も参加し、患者さんの立場からも試験の内容に問題がないかを審議して、試験の計画が適切であることが認められています。

プライバシーと個人情報の保護について

あなたの個人情報およびプライバシーを保護するために、腫瘍組織が医療機関から提出される準備段階で、カルテ番号以外の個人を特定できる情報(住所・氏名・年齢・生年月日など)はすべて排除されます。
したがって、輸送中に外部の人が見ても、あなたを特定することはできません。
京都大学医学部附属病院/JGOGデータセンターおよび医療機関は、あなたのプライバシーと個人情報を保護するために可能な限りの手段を講じます。
なおこの試験で得られた結果は解析報告書としてまとめられ、その結果は学会や学術雑誌に発表することを予定しています。同意いただいた方の結果をすべてまとめた形で報告されますので、あなたのお名前などの個人を特定できる情報が公開されることはありません。

費用および補償について

この研究に参加することにより、あなたに新たな費用負担が生じることはありません。また、あなたへ報酬や補償金が支払われることはありません。

結果報告について

提出していただいた腫瘍組織の解析結果は、直接あなたの治療に役立つ情報ではないため、あなたや担当医師に対して連絡されることはありません。 あなたの腫瘍組織を用いて行われた研究に関する結果が、あなたのカルテに記録されることもありません。

研究組織

この研究は特定非営利活動法人 婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG(ジェイジーオージー))が主体となって行います。JGOGは、多施設共同で婦人科がんの研究を行っている非営利の組織で、日本全国の約200の病院が参加しています。研究グループの詳細はホームページ(http://www.jgog.gr.jp/)をご参照ください。

研究資金と利益相反

この研究はJGOGの研究費を使用して実施します。
また、婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG(ジェイジーオージー))が賛助企業等から受けた寄付金の一部を使用して実施しています。以前に行ったJGOG3016試験で使用された薬剤の販売元である製薬会社もJGOGの賛助企業としてJGOGへ寄付をしていますが、この研究に使用目的を限定したものではありません。
病院のCOI委員会は、この研究に関わるすべての担当者について、この研究を行うことが個人的な利益に結びつく状態(利益相反)にないことを確認しています。また、この研究の結果を公表する際には、発表者となる全ての研究者の利益相反について、研究グループのCOI(シーオーアイ)委員会が確認します。

知的財産の帰属先

将来、この研究の成果が得られ、知的財産権が生じる可能性もありまるが、その権利は研究者もしくは所属する研究機関に帰属します。

同意書への署名について

この説明文書をよくお読みになった上で、あなたの組織を提出することに同意していただける場合には、同意書への署名をお願いいたします。
*署名した同意書は担当医師へお渡し下さい。あなたの控え用としてコピーをお渡し致します。

担当医師の連絡先および相談窓口

この研究について知りたいことや、心配なことがありましたら、以下の担当医師または問合せ先に遠慮なくおたずね下さい。

お問い合わせ先

研究代表者:小西郁生(京都大学医学部附属病院 産科婦人科)
問合せ先:松村謙臣 村上隆介(京都大学医学部附属病院 産科婦人科)
連絡先 :〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
Tel:075-751-3269
Fax:075-761-3967

京都大学医学部婦人科学産科学教室