「婦人科がん患者に対するモバイルアプリケーションを用いた がんヘルスケア管理のFeasibility Study」の臨床研究開始について

【婦人科腫瘍研究】

国立大学法人京都大学大学院医学研究科 婦人科学産科学教室(以下「京大婦人科産科」)は、ライフログテクノロジー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:棚橋繁行、以下、ライフログテクノロジー)が運営するヘルスケア アプリ「カロミル」を用いて、「婦人科がん患者に対するモバイルアプリケーションを用いたがんヘルスケア管理」の臨床研究(以下、本研究)を行うことをお知らせいたします。

※2020年5月から株式会社DUMSCO(本社:東京都港区、代表:西池 成資、以下、DUMSCO社)が提供するスマートフォンのカメラを用いたストレス測定アプリ「ANBAI」を用いて、心拍変動や歩数、睡眠時間などのデータを記録・収集を行います。

※2020年6月からPST株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表:大塚 寛、以下、PST社)が提供する声帯の不随意反応に着目した声の周波数の変動パターン等から心の状態を分析するアプリ「MIMOSYS®(ミモシス)」を用いて、元気圧、心の活量値などのデータを記録・収集を行います。

研究の背景

近年、がんの治療の目的として、がんを治すだけではなく患者のQuality of Life (QOL)を向上もしくは維持させ、精神的・社会的な日常生活を改善することが求められており、「がんサバイバーシップ」と呼ばれています。「がんサバイバーシップ」は日常生活に即した問題であることから、病院を受診した際の診察、検査のみならず、日常生活情報等の健康データをいかに診療に取り入れるかという課題がありましたが、「カロミル」を用いることで写真撮影のみで食事栄養素の組成、血圧・脈拍の記録ができるほか、その他の多くのウェアラブルデバイスと連携しており、様々な情報が手軽に収集可能となります。また、記録する煩雑さが従来よりも圧倒的に軽減されるため患者の負担も少なく、毎日の日常生活情報(食事、血圧・脈拍、体温、体重、運動)が収集しやすくなっています。

また、本研究の成果は、婦人科がん患者のヘルスケアサポート(QOL向上)、がんサバイバーシップに関する医学・医療の今後の発展に寄与することを目指します。

研究について

京大医学研究科の万代昌紀教授、山口建講師を中心とした研究チームで実施される本研究は、京都大学医学部附属病院の産科婦人科で診断、治療、経過観察を行う18歳以上の婦人科がん患者50名を研究対象者とし、治療および本研究への参加にあたり説明を受けた後、理解の上、文書同意が得られた方を対象に行われます。このFeasibility studyが終了後は大人数に対する研究が行われる予定です。

京都大学大学院医学研究科 婦人科学産科学教室について

1899年に京都帝国大学医科大学が開設され、婦人科学・産科学教室(当教室)が創設、2019年で120周年を迎えました。現在の第10代教授である万代昌紀教授にいたるまで、当教室は婦人科がんと深くかかわってきた歴史があります。特に子宮頸癌は第2代高山尚平教授が発表した高山術式は子宮頸癌に対する広汎子宮全摘術の基礎となり、第3代岡林秀一教授が改良した岡林術式は現在の子宮頸癌手術の標準術式となっています。第4代の三林隆吉教授は超広汎子宮全摘術を考案しました。第8代の藤井信吾教授は子宮頸癌に対して出血量の少ない膀胱神経温存術式を考案し、現教授の万代昌紀教授は本邦で先駆けて鏡視下広汎子宮全摘術を行っています。また、子宮頸癌以外にも免疫療法の基礎研究から卵巣癌に対する抗PD1抗体の医師主導治験、がんゲノム解析、婦人科がんの発生や抗がん剤耐性の解明など、時代のニーズとともに将来の展望を心掛けた研究をしています。

カロミルについて

  • 日々の食事や運動の記録・管理がおこなえるヘルスケア アプリです。
  • 約3万品目の食品・商品のデータベースの中から手動で検索・選択し、登録した食品の栄養素が自動概算・記録される機能と、独自に開発した画像解析AIを用いて、食べ物を写真撮影するだけで栄養素を記録できる機能を実装。
  • 2016年のサービス開始以降、日々データが蓄積されAIの精度が向上。
  • カロリー、脂質、炭水化物、糖質、食物繊維などの栄養情報を自動解析し、不足している栄養素や、過剰な栄養素などの情報を把握可能。
  • 体重や運動量の記録もでき、目標達成に役立つ機能も搭載。
  • ライフログから3ヶ月後の体重を予測し、AIが解説する「解説付き体重予測AI」を搭載。
  • 1週間単位で食事のアドバイスをする「食事指導機能」を搭載。
  • ダイエットや、糖尿病などで食事療法や運動療法などを行っている方が多くご活用。

ライフログテクノロジー株式会社について

ライフログテクノロジー株式会社は、管理栄養士、エンジニア、データサイエンティスト、人工知能の研究者で構成されたヘルスケア関連のテクノロジー企業です。2016年2月に創業し、東京本社のほか、宮崎、福岡に拠点があります。ヘルスケア アプリ「カロミル」を開発運営しています。大学や企業、医療研究機関などと健康管理や食生活に関する共同研究を行っています。また、カロミルで収集するユーザー60万会員のきめ細かな喫食データをもとに、様々な切り口で統計データを抽出・分析し、現代のリアルな食生活の実態をレポートするオウンドメディア「カロミル食生活実態調査」を運営しています。

社 名: ライフログテクノロジー株式会社(Life Log Technology, Inc)
所在地: 〒108-0023 東京都港区芝浦4-12-44 石川ビル5F
設 立: 2016年2月
資本金: 3億336万円(資本準備金含む)
代表者: 代表取締役 棚橋繁行

ANBAIについて

  • スマートフォンのカメラで脈拍の変化をセンシングし、心拍変動解析(HRV)という手法で自律神経活動(ストレス等)の測定を可能にします 
  • 自律神経の測定に加えて、睡眠時間や歩数といったライフログのシームレスな収集が可能です 
  • 管理用のダッシュボードを通じて、自組織のユーザー管理やデータの確認が簡単にできます

株式会社DUMSCOについて

株式会社DUMSCOは、「人々が活力的・生産的な日々を送れる社会をデータの力で実現する」ために、ソフトウェアやデータサイエンスを駆使し、「ヒト・人のデータ」から生産性向上を目指すピープルアナリティクス事業を展開している企業です。データ分析サービスのほか、2013年より提供している、300万ダウンロードを達成したストレス測定アプリ「ストレススキャン」や、その技術とデータを活用した、1人1人がスマートフォンでストレスを測定して客観的に自分の体調を把握し、同時に組織的な体調のモニタリングを可能にするサービス「ANBAI」(https://anbai.app/)を運営しております。医療機関や大学等研究機関との連携も強化しており、技術協力や共同研究なども行っております。

社 名: 株式会社DUMSCO
所在地: 〒105-0001 東京都港区虎ノ門5-11-15 虎ノ門KTビル2F
設 立: 2010年5月
代表者: 代表取締役 西池 成資

MIMOSYS®(ミモシス)について

PST株式会社について

朝「おはよう」の一言を聞いただけで、「あれ、この人いつもと様子が違うな?調子が悪いのかな?」と思ったことはありませんか?
ストレス社会が加速している中で、PST株式会社はその“声”に着目し、心の状態を可視化することで、自分のメンタルヘルスを大切にし、多くの方が笑顔で過ごせる社会を目指し、日々研究開発を行っている企業です。
音声から心の状態が分かる「MIMOSYS®(ミモシス)」のほか、音声から病態を可視化する「VOISFIA®(ボイスフィア)」の研究開発も行っております。医療機関や大学等研究機関と連携もしており、技術協力や共同研究なども行っております。

社 名: PST株式会社
所在地: 〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル905号室
設 立: 2012年2月
代表者: 代表取締役 大塚 寛

本件連絡先

京都大学大学院医学研究科 婦人科学産科学教室
山口 建
E-mail: soulken★kuhp.kyoto-u.ac.jp
東山 希実
E-mail: nozomi28★kuhp.kyoto-u.ac.jp
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
Tel: 075-751-3269 Fax: 075-761-3967

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京都大学医学部婦人科学産科学教室