当院における慢性早剥羊水過少症候群(CAOS)症例の後方視的検討

【周産期研究】

1.研究の名称

当院における慢性早剥羊水過少症候群(CAOS)症例の後方視的検討

2.研究の目的

慢性早剥羊水過少症候群(chronic abruption-oligohydramnions seqence:CAOS)は、1998年にElliottらによってはじめて報告された症候群であり、(1)出血源が同定できない性器出血, (2)羊水量は当初は正常であるが, (3)明らかな破水徴候なく羊水過少にいたる, ものと定義されます。しかし、CAOSの病態形成機序には不明な点が多く、画像的、病理学的な疾患の裏付けがありません。また、「破水でない」とされる症候群ですが、実際にはほぼ全例で破水に至っていることが経験的に知られています。当院ではこれまで、このCAOSに該当する疾患を多く管理し、画像、胎盤病理学的所見、分娩転帰および新生児予後などの臨床情報が蓄積していることから、それらを統合、解析することでCAOSの疾患概念の整理、病態および分娩予後の解明を行い、CAOSの明確な診断基準の作成と診療指針の策定を行うことを目的に本研究を計画しています。

3.研究期間

この研究は、データ解析期間を含むため、医の倫理委員会の承認日から2022年12月31日までです。

4.倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けている旨

この臨床研究は国が定めたルールに従って行われ、参加される方が不利益を受けないよう、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会により十分検討されて承認され、研究機関の長により実施が許可されています。

5.研究機関の名称・研究責任者の氏名

研究機関の名称:京都大学医学部附属病院 産科婦人科 病理診断科
研究責任者:近藤英治 共同研究者:南口早智子 千草義継
共同研究機関 :なし

6.試料・情報の利用目的・利用方法

2000年1月〜2019年12月の期間にCAOSと診断され、当院で妊娠分娩管理をうけた方を対象としています。診療録から得られた母体年齢、診断時の症状、妊娠週数、超音波検査画像、MRI検査画像、治療内容、分娩週数、胎盤病理検査所見、新生児体重、アプガースコア、新生児合併症などの情報を匿名化したのち、統計処理して検討します。データは論文化から少なくとも10年間以上保管されます。個人情報は適切に保護及び管理されます。

7.利用または提供する試料・情報の項目

① 母体の調査項目

  • 診断時の年齢、生年月(日は含まない)、妊娠分娩歴
  • 臨床症状および治療内容
  • 超音波あるいはMRI検査画像所見
  • 分娩(あるいは流産)時の週数、分娩方法(経腟分娩、帝王切開、流産、人工妊娠中絶)
  • 胎盤病理診断所見

② 児の調査項目

  • 分娩時(出生時)の週数 、体重、性別、アプガースコア、臍帯動脈血pH
  • 新生児合併症、NICU入室の有無

8.当該研究を実施する全ての共同研究機関の名称及び研究責任者の氏名

本研究は京都大学医学部附属病院産科婦人科および病理診断科のみで行われるため共同研究機関はありません。

9.試料・情報の管理について責任を有するものの氏名又は名称

京都大学医学部附属病院 産科婦人科
研究責任者:近藤英治

10.研究への参加同意の撤回の自由について

この研究への参加を希望しない場合や、研究の途中で参加をとり止める場合、研究対象者又はその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別される情報の利用を停止します。その際、研究対象者は何ら不利益を受けることはありません。

11.研究の資金・利益相反

本研究は運営費交付金により実施します。特定の企業からの資金提供は受けていません。利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査・管理しています。

12.研究対象者及びその関係者からの求めや相談等への対応方法

本研究についてわからないこと、心配なことがありましたら、相談窓口にお問い合わせください。 (現時点で特定されない研究については実施が未定のため、他の方の個人情報については個人情報保護のため、知的財産については知的財産保護のため、お答えできないことをご了承ください。)

研究責任者:近藤英治(産科婦人科、医師・准教授)
担当者 :千草義継(産科婦人科、医師・助教)

相談窓口

京都大学医学部 婦人科学産科学教室
(TEL) 075-751-3269
京都大学医学部附属病院 相談支援センター
(TEL) 075-751-4748
(E-mail) tsodan★kuhp.kyoto-u.ac.jp

E-mailは★を@に置き換えてください

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