本邦における婦人科悪性腫瘍合併妊娠の調査

【周産期研究】

1.研究の名称

本邦における婦人科悪性腫瘍合併妊娠の調査

2.研究の目的

近年、分娩年齢の高年鈴化に伴い、20 代・30 代の子宮頸癌患者が急増し、子宮頸癌合併妊娠が問題となっています。また、卵巣癌においても若年者での増加傾向があり、妊娠に合併した卵巣癌患者の報告も増えています。これまで本邦での悪性腫瘍合併妊娠に関する調査では、としては、「妊娠に関連する悪性腫瘍の調査 2008」があり、この調査では228例の悪性腫瘍合併妊娠が報告され、詳細な調査が可能であった225 例を癌種別に検討した結果、子宮頸癌162例(72%)(上皮内癌104例を含む)が最も多く、次いで卵巣癌16 例(7%)、乳癌14例(6%)、白血病7例(3%)、大腸癌5例(2%)の順でありました。このように近年、子宮頸癌や卵巣癌などの婦人科悪性腫瘍合併妊娠の頻度は増加しており、今後、臨床的に重要な問題となることが予想されます。そこで、本邦での婦人科悪性腫瘍合併妊娠の症例を集積し、解析を行うことにより今後の治療に役立てることを目的に本研究を行います。具体的には、本邦における子宮頸癌ならびに卵巣癌合併妊娠の発生頻度・治療方法・その予後を調査し、悪性腫瘍とその治療が妊娠・分娩・産褥にどのように影響したかを明らかにし、さらに新生児の予後についても検討します。

3.研究期間

この研究は、データ解析期間を含むため、医の倫理委員会の承認日から2024年3月31日まで行われます。

4.倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けている旨

この臨床研究は国が定めたルールに従って行われ、参加される方が不利益を受けないよう、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会により十分検討されて承認され、研究機関の長により実施が許可されています。

5.研究機関の名称・研究責任者の氏名

研究機関の名称:京都大学医学部附属病院 産科婦人科 研究責任者:近藤英治 共同研究機関 :本研究は日本産科婦人科学会 婦人科腫瘍委員会が統括します。 研究参加予定施設は全国の周産期母子センターならびにがん診療連携拠点病院(約500施設)です。

6.試料・情報の利用目的・利用方法

2012年1月から2017年12月までの6年間に、婦人科悪性腫瘍合併妊娠(子宮頸癌・卵巣癌のみ)と診断された症例について診療録(カルテ)より調査を行います。病院で収集された研究データは、匿名化されたのち日本産科婦人科学会にいったん集められ、日本産科婦人科学会・婦人科腫瘍委員会および研究事務局(三重大学医学部 産科婦人科)に送付され、保管・解析されます。共同研究機関では個々に個人情報保護方針を定め、適切に個人情報の保護及び管理を行っています。

7.利用または提供する試料・情報の項目

① 母体の調査項目

  • 診断時の年齢、生年月(日は含まない)、妊娠分娩歴
  • 診断名(子宮頸癌、卵巣癌)、臨床進行期 、組織型、組織診断 診断日時 、診断時妊娠週数、診断方法(生検、手術)
  • 妊娠中の合併症、妊娠中の手術の有無、手術日、手術時の妊娠週数、手術術式
  • 妊娠中の化学療法・放射線療法の有無、レジメン、コース数または総線量、 治療開始時の妊娠週数、治療終了時の妊娠週数
  • 待機療法の有無
  • 分娩日、分娩週数、分娩方法(経腟、帝王切開、流産、人工妊娠中絶)
  • 分娩時の腫瘍切除の有無
    • 分娩後の手術の有無、手術日、手術術式
    • 分娩後の追加治療、再発の有無、再発日
    • 最終治療日 、最終確認時の状況

② 児の調査項目

  • 出生週数 、出生年月日、出生時体重、性別
  • 新生児合併症、NICU入室の有無、最終確認日、最終確認時の状況

8.当該研究を実施する全ての共同研究機関の名称及び研究責任者の氏名

本研究は日本産科婦人科学会 婦人科腫瘍委員会が統括します。全国の周産期母子センターならびにがん診療連携拠点病院(約500施設)が参加します。

研究事務局:三重大学医学部産科婦人科教室 田端 務

9.試料・情報の管理について責任を有するものの氏名又は名称

京都大学医学部附属病院 産科婦人科
研究責任者:近藤英治

共同研究機関 を代表する機関

日本産科婦人科学会 婦人科腫瘍委員会
研究事務局:三重大学医学部産科婦人科教室 田端 務

10.研究への参加同意の撤回の自由について

この研究への参加を希望しない場合や、研究の途中で参加をとり止める場合、研究対象者又はその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別される情報の利用又は他の研究機関への提供を停止します。その際、研究対象者は何ら不利益を受けることはありません。

11.研究対象者及びその関係者からの求めや相談等への対応方法

本研究についてわからないこと、心配なことがありましたら、相談窓口にお問い合わせください。
(現時点で特定されない研究については実施が未定のため、他の方の個人情報については個人情報保護のため、知的財産については知的財産保護のため、お答えできないことをご了承ください。)

研究責任者:近藤 英治(産科婦人科、医師・准教授)
担当者 :最上 晴太(産科婦人科、医師・助教)

相談窓口

京都大学医学部 婦人科学産科学教室
(TEL) 075-751-3269

京都大学医学部附属病院 相談支援センター
(TEL) 075-751-4748
(E-mail) ctsodan★kuhp.kyoto-u.ac.jp

※E-mailは★を@に置き換えてください

京都大学医学部婦人科学産科学教室