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研究案内
「婦人科がん患者に対するモバイルアプリケーション等を用いたデータベースの構築とヘルスケア評価の探索的研究」に関する「がんヘルスケア基金」の立ち上げについて
【婦人科腫瘍研究】
国立大学法人京都大学大学院医学研究科 婦人科学産科学教室(以下「京大婦人科産科」)は、「婦人科がん患者に対するモバイルアプリケーション等を用いたデータベースの構築とヘルスケア評価の探索的研究」に関して「がんヘスルケア基金」を立ち上げ、2021年10月22日から約4か月間の基金募集を開始いたしましたことをお知らせいたします。
がん患者さんのQOLを改善し、元気になることで社会復帰を目指すための費用として、研究に関する人件費や解析費、またアプリ等の開発に向けた資金調達を目指します。
ご賛同いただける方は、ぜひご協力をお願いいたします。
【ACADEMIA】がん患者のQOL向上を目指した、がんヘルスケア基金
研究の背景
京大婦人科産科では、婦人科がん患者さんのQOLに関する研究を行い、QOLの把握と改善を目指したアプリ等の開発を行っています。
https://obgy.kuhp.kyoto-u.ac.jp/labo/st_g018.html
婦人科がん患者さんの診療を行う中で、がんに対する不安があるにもかかわらず家族に対しては気丈に振舞われる方や、がん治療と仕事、家事などの日常生活の両立に苦しんでいる方が多いことに気が付いたことから、この研究が始まりました。
がん患者さんは、がんと診断された時から、様々な不安を感じる方が多くいます。また、長く大変ながん治療を受けることで、不安だけではなく副作用などで身体面でも生活の質(QOL)を落とす方も多くいます(下図参照)。そのような心身ともに大変なストレスの中でがん治療を受けている方が多いですが、不安なときに相談する医療窓口はなく、自己管理が正しいのかもわからないのが現状です。
この事業では、がん患者さんの日常生活やQOLを、ヘルスケアアプリを用いて患者さん自身が自己管理を行いつつ、医療者が把握することができる社会を作りたいと考えています。そのためにはアプリを用いて患者さんの生活情報をデータ(ライフログ)として管理するシステムが必要です。また、ライフログと病気との関係を調べます。がん患者さんのQOLを改善し、元気になることで社会復帰を目指すものです。
研究について
京大医学研究科の万代昌紀教授、山口建講師を中心とした研究チームで実施される本研究は、京都大学医学部附属病院、近畿大学病院、岩手医科大学附属病院などの共同研究機関で診断、治療、経過観察を行う18歳以上の婦人科がん患者さんを研究対象者とします。本研究への参加にあたり説明を受けた後、理解の上、文書同意が得られた方を対象に行われます。
研究の目的として以下の4つがあります。
- 日常生活のデータ(ライフログ)、患者さんのQOLに関する調査結果(患者報告アウトカム)、生体材料(血液や組織等)、診療情報を包括的にデータベース化する
- データベース化されたライフログを用いて、治療成績やQOL に影響を与えるパラメータを探索する
- 治療成績やQOL に関わるライフログと分子生物学的な関係を明らかにする
- ライフログを用いてQOL を管理するアプリケーションを開発する
本研究は京都大学大学院医学研究科(婦人科学産科学、ビッグデータ医科学、医療情報学、医療疫学、臨床腫瘍薬理学・緩和医療学)、株式会社DUMSCO、ライフログテクノロジー株式会社、PST株式会社との共同研究で行われます
万代教授からのメッセ―ジ
「がん」と診断をうけると誰でも不安になるものです。また、がん治療は大きな手術や辛い抗がん剤や放射線治療など身体だけではなく気持ちも大変な思いをされる方が多くいらっしゃいます。特に私達が診療にたずさわる婦人科がん患者さんは仕事、育児、家庭のことなどの心配が大きいため、生活の質(QOL)が悪くなることが多いと言われています。
京都大学産科婦人科では、手術の負担を減らすために内視鏡を用いた手術をいち早く導入しました。これからも、がんを治すだけではなく、がん患者さんのQOLにも配慮した治療を行いたいと考えています。
この事業を通して、がん患者さんのQOLを研究し、アプリなどを用いて医療者ががん患者さんのQOLを把握できる体制を作りたいと考えています。
皆様のご厚意を患者さんへお返しできるように邁進してまいります。ご賛同いただける方は是非ともお力添えをお願い申し上げます。
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