教室員による活動報告

東山希実

学会発表を積極的に行なっています!

京都大学医学部 婦人科学産科学 大学院生

東山希実

”JSOG Congress Award” 受賞のご報告

2022年8月に開催されました第74回日本産科婦人科学会学術講演会において、”JSOG Congress Award”を受賞させて頂きました。 【発表タイトル】 Clinical Research to Improve the Quality of Life of Patients with Cancer : Managing Quality of Life with Lifelogs 【研究内容】 がん患者さんの症状や体調をアプリ等を通して記録するePRO(electric Patient Reported Outcomes)は、がん患者さんのQOL向上や生存率延長など様々な効果が報告されています。一方で、記録が続かない等アドヒアランスの低下が大きな問題です。そのため、心拍等のウェラブルデバイスで自動的に収集できるライフログから、がん患者の体調を推定することはとても有用です。本研究では、がん患者さんのQOLに大きく影響する症状は身体的症状よりも、疲労や抑鬱、不安などの精神的症状が主体となることがわかりました。さらにこれらの症状は心拍のR-R波の間隔(RRI)のゆらぎ(心拍変動)と関連があることもわかりました。(株) DUMSCOが提供するANBAI®で心拍変動を測定し、機械学習を用いて、心拍変動からがん患者のQOLを予測するアルゴリズムを構築しました。 【感想・抱負】 本研究は多くの患者さんのご協力により成り立っております。本研究にご協力いただいた患者さん方には大変感謝しております。現在、当院他数施設の患者さんのデータからQOL予測アルゴリズムを構築しました。今後は全国規模に本研究を広げ、患者さんが簡単にQOLを測定し、医療者がその結果を常に共有でき、診療に役立てるシステム構築に努めます。

”Best Poster Presentation Award” 受賞のご報告

2022年4月に韓国で開催されました2nd International Congress of Asian Oncology Society (AOS 2022)において”Best Poster Presentation Award”を受賞させて頂きました! 【発表タイトル】 The Usefulness of Voice in Monitoring Depression in Gynecological Cancer Patients 【研究内容】 本研究ではがん患者さんの実に70%ががん治療中に軽度の抑鬱と診断できる状態であることがわかりました。しかし軽度の抑鬱は精神科領域でも治療対象とされず、発見もされなければ治療もされていません。しかし軽度の抑鬱はあらゆるQOLに影響を与えていることもわかりました。最近、人の発する音声により人の感情を判断する技術が開発されました。そこで、(株)PSTが提供するMIMOSYS®でがん患者さんから音声を収集し、機械学習を用いて、軽度の抑鬱を発見するアルゴリズムを構築しました。 【感想・抱負】 本研究では、多くの患者さんの音声とQOL質問票の結果からアルゴリズムを構築しました。本研究にご協力いただいた患者さん方には大変感謝しております。今後は、軽度の抑鬱と診断された患者さんの抑鬱をいかにして改善するかの臨床研究を開始する予定です。

2022/12/10

京都大学医学部婦人科学産科学教室