教室員による活動報告

村上 隆介

第75回日本産科婦人科学会のシンポジウムで発表しました

京都大学医学部 婦人科学産科学 助教

村上 隆介

高異型度漿液性卵巣癌の腫瘍微小環境に着目した新規治療法とAI診断法の個別化医療の開発

2023年5月12日東京で腫瘍シンポジウム「新時代の臨床応用を目指した卵巣がん個別化医療への試み」をテーマに「高異型度漿液性卵巣癌の腫瘍微小環境に着目した新規治療法とAI診断法の個別化医療の開発」を発表させていただきました。本シンポジウムでは、卵巣癌の個別化医療への試みをテーマを約1年かけて4人の演者で準備し、各研究室の総力を出し合い議論するという場です。私達はこれまで卵巣癌の免疫細胞と腫瘍細胞との関係性(腫瘍微小環境)が、治療の感受性や抵抗性に関わっていることを研究を通じて明らかにしてきました。近年デジタルテクノロジーの代名詞となっているAI(Artificial Intelligence:人工知能)を用いた技術革新の進歩が著しく、私は研究室のメンバーとともにAIを卵巣癌研究に応用して研究を行ってきました。今回は卵巣癌の病理診断で用いられる病理組織スライドを用いて免疫療法の感受性に関わるであろう腫瘍内リンパ球の診断モデルをAIで開発し、新たな免疫チェックポイント分子であるB7-H3に着目してより有効な免疫療法の開発を行っていることを本シンポジウムで発表しました。これからも現在問題となっている、腫瘍微小環境を標的とした治療薬の耐性を克服すべく、免疫療法の個別化医療の開発を実現していきたいと考えております。

2023/06/11

京都大学医学部婦人科学産科学教室