令和6年度Best Scientific Paper of the Year受賞

岡山で開催されました第77回日本産科婦人科学術講演会（2025年5月23-25日）で令和6年度優秀論文賞（Best Scientific Paper of the Year）を受賞いたしました。
本論文は、大学院生時代に山ノ井先生のご指導のもと取り組んだ研究です。食事由来の脂肪酸が癌の増殖に及ぼす影響を基礎実験で検討し、脂肪酸が癌の増殖を抑制することができるかもしれないことを示す研究で、飽和脂肪酸の一種であるステアリン酸が小胞体ストレス応答を誘導し腫瘍増殖を抑制すること、オレイン酸がこの効果を打ち消してしまうことを明らかにしました。 論文はExperimental & Molecular Medicine（2024年12月）に掲載されました。

Ogura J, Yamanoi K, Ishida K, Nakamura E, Ito S, Aoyama N, Nakanishi Y, Menju T, Kawaguchi K, Hosoe Y, Taki M, Murakami R, Yamaguchi K, Hamanishi J, Mandai M. A stearate-rich diet and oleate restriction directly inhibit tumor growth via the unfolded protein response. Exp Mol Med. 2024 Dec;56(12):2659-2672. doi: 10.1038/s12276-024-01356-2 Epub 2024 Dec 2. PMID: 39617788; PMCID: PMC11671534.

本成果は研究室における脂肪酸研究の最初の成果であり、まだ細胞やマウスを使用した基礎実験の域を出ませんが、今後悪性腫瘍が全身に及ぼす代謝性変化や、悪性腫瘍の早期診断、悪性腫瘍治療中のオーダーメイドの食事療法を開発するなど研究を深化させていけたらと考えております。